古唐津及び唐津焼並びに陶芸に関する用語集

古唐津及び唐津焼並びに陶芸に関する用語集 「さ」

彩陶(さいとう)

中国の新石器時代に現れた彩色文様を施した土器。
「釉薬(ゆうやく)」(うわぐすり)のかかったものは含めません。

砂まじりの、または良質の粘土でつくった土器に、鉄分を多量に含んだ紅土(焼成後黒くなる)や、赭(しゃ)石(焼成後赤くなる)をといて種々の文様を描き、つぎに約1,000℃で焼成します。

この場合の彩色は落ちにくいが、焼成後に彩色したものは落ちやくなります。
彩陶は、黄河流域の仰韶文化に発達し、文様は幾何学文や動物文など多様であり、彩色は黒・赤から、しだいに多彩になります。

特に黄河上流域の甘粛・青海地方では、多様な彩陶が大量につくられ、渦巻文・連孤文・蛙文・鳥文などの複雑精緻な文様が施されており、中国の彩陶芸術の宝庫といわれています。

鮫肌釉(さめはだゆう)

薩摩焼(さつまやき)などにみられる粒状の、いわゆる鮫肌を表す釉(うわぐすり)。

酒井田柿右衛門(さかいだかきえもん)

伊万里焼(いまりやき)の窯元で初代は赤絵(あかえ)の創始者。当代は14代目。国の重要無形文化財にも指定されています。独特の乳白の素地(きじ)である濁し手(にごして)は4代目に完成。

薩摩焼(さつまやき)

朝鮮半島の陶工によって薩摩に開かれた窯。明治以降、錦手(にしきで)が多く欧米諸国に輸出。

猿投(さなげ)

愛知県瀬戸市と豊岡市、日進市、藤岡町周辺で焼かれた焼締陶。
五世紀前半から須恵器がつくられ、八世紀前半には、日本で最初の灰釉陶がつくられ始められました。

愛知県の猿投窯では、9世紀には猿投窯独特の白色の陶胎に高火度の灰釉を掛けた、灰釉陶器を焼くようになる。
奈良朝に原形を持つこの壷は、その優美な造形から10世紀前半の作と考えられ、蓋・身にかけられた淡緑色の灰釉の流れも美しい。
共蓋を伴うのも貴重であり、猿投灰釉陶を代表する作例です。

銹絵(さびえ)

鉄絵(てつえ)ともいい、絵付けの一種。釉薬(ゆうやく)の下に描く下絵、上に描く色絵の上絵とあり、茶色から黒褐色の色合い。

銹釉(さびゆう)鉄砂(てっしゃ)

茶色に発色した鉄釉(てつぐすり)の一種。
柿右衛門様式(かきえもんようしき)では口縁に塗られる。

皿山(さらやま)

焼物が造られている地域のことをいう。
皿屋ともいい九州地方の磁器製造地など。南九州では壺屋ともいいます。


匣(さや)・匣鉢(さやばち)

窯詰道具のひとつで、窯の焼成時に焼物を保護し、効率よく窯に積み上げて積むための容器で、ボシとも呼ばれる。

紗綾形文(さやがたもん)

卍を斜めに連ねた連続文様。綾の絹織物に用いられる文様。


酸化炎焼成(さんかえんしょうせい)

酸素を多くして完全燃焼させる焼成法。土や釉に含まれる鉱物が酸化され固有の発色をする。

三彩(さんさい)

褐・緑・黄・藍といった色釉を、直接素地に施して低火度焼成(800度)された陶磁器の加彩法。
漢代におこり、唐三彩によって完成されました。
その影響は渤海三彩・奈良三彩を生み出し、遼三彩や宋三彩へと転化していき、西方ではペルシア陶器・マジョリカ陶器にまで至っています。
明末には景徳鎮にて磁器に三彩釉を施す、素三彩が登場し康熙年間のものが名高い。

唐三彩(とうさんさい)

中国の唐時代につくられた軟陶三彩を呼びます。
緑・白・褐の三色が多いが、緑なり、白なりの一色のものもあります。
たまに青色を加えたものもあり、これは藍彩と呼ばれています。
殆ど副葬品として用いられました。