古唐津及び唐津焼並びに陶芸に関する用語集 「て」
て
低火度(ていかど)
800~900度の低い温度で焼成すること。
定窯(ていよう)
優れた白磁(はくじ)を焼いた、中国河北省にある宋代の名窯。
定窯は宋時代を代表する白磁の名窯であり、窯址は現在の河北省曲陽県に発見されています。
良質の磁土を用いて器壁は薄くのびやかに成形され、酸化焔焼成によって釉薬中の微量の鉄分が黄味をおび、あたたかみのある牙白色の釉膚となっています。
流麗な蓮花文、文様の輪郭に向って斜めに刃を入れて彫る片切り彫りの手法によっており、深く掘られた部分に釉薬が厚く溜ることによって文様が浮かび上がって見えるのです。
釉調の美しさと文様の見事さをかねそなえた定窯白磁の典型作といえます。
鉄絵(てつえ)銹絵(さびえ)
酸化第二鉄や鬼板(おにいた)など、鉄の顔料を用いて得付けしたもので、銹絵(さびえ)ともいう。
下絵付けで、鬼板などの鉄分を多く含む顔料で描く技法。
銹絵(さびえ)や鉄砂(てっしゃ)と同じだが、鉄砂の場合は釉薬を意味することもあります。
鉄絵は透明釉の下に描かれる釉下彩の一種です。
酸化鉄による呈色のため、黒褐色の絵文様となります。
鉄釉(てつぐすり・てつゆう)
青磁釉、黄瀬戸釉、天目釉、柿釉(かきゆう)、飴釉(あめぐすり)、黒釉(こくゆう)など鉄を含む釉薬(ゆうやく)で、鉄分が多いほど黒色に近い。
手捻り(てびねり)手捏ね(てづくね)
轆轤(ろくろ)を使わず、粘土を手で延ばしながら成形。
手造りともいい、指先だけで成形する方法をいう。
楽焼(らくやき)はこの方法により、素朴で雅致に富んだ茶碗をつくった。
天狗谷窯(てんぐだにがま)
佐賀県有田町の白川谷にあった連房式登窯。染付(そめつけ)や青磁(せいじ)の碗、皿などが出土し初めて磁器が焼かれた窯。
天啓赤絵(てんけいあかえ)
中国景徳鎮(けいとくちん)の、民窯で焼かれた粗製の色絵磁器。赤、緑、黄で古染付(こそめつけ)のような簡略な絵が特徴。
天目(てんもく)油滴天目(ゆてきてんもく)曜変天目(ようへんてんもく)
鎌倉時代、中国の浙江省天目山で使われていた茶碗が日本に到来しました。
天目山の茶碗ということで「天目」と言われます。
天目茶碗の中でも最も重視されるのが七種の天目です。
建盞、烏盞、曜変、灰被、油滴、黄盞、玳皮盞の七種の天目を言います。
曜変天目(ようへんてんもく)茶碗は、中国、建窯でつくられた天目茶碗の一種。
黒色の茶碗の内面に青紫色の光彩に覆われた星文と呼ばれる円状の小斑文が散在する。
遺品は日本にある3点のみで、全て国宝の指定を受け静嘉堂文庫(「稲葉天目」)、藤田美術館、大徳寺龍光院に収蔵されています。
天竜寺青磁(てんりゅうじせいじ)
中国龍泉窯で元から明時代にかけて作られた青磁で、釉色がやや沈んだ暗緑色の青磁のことです。
その名は、京都の天竜寺にこの手の青磁の香炉があったからとも言われています。