古唐津及び唐津焼並びに陶芸に関する用語集 「う」
う
浮き彫り(うきぼり)
文様の周辺を彫って、文様を表面から浮かび上がらせる装飾法。
蹲(うずくまる)
伊賀や信楽で壺の背の低い背丈からむっくりした形の小壺のこと。
その形がさながら人がうずくまっているような形なのでこの名称がつけられました。
本来、農家の雑器で種壷または油壷でしたが、茶人が花入などに用いて珍賞されたようです。
現川(うつつがわ)
長崎県長崎市で焼かれた陶器。刷毛目(はけめ)に呉須(ごす)などの絵付けが施されたもの。
元禄5年(1692年)に田中五兵衛が子の甚内と創業したが、寛保(1741-1744年)頃に廃窯。その作品は、非常に上作薄手で一見京焼風である。刷毛目 を効果的に利用し、絵付には白土、鉄、たんばん、呉須などをつかっている。
現在、佐世保市の横石臥牛窯で復興されています。
卯の斑(うのふ)
兎の斑ともいいます。
主に瀬戸地方で使用される白色不透明の頽釉(なだれぐすり)。土灰釉にイネ科植物の灰を混ぜたもので斑唐津や朝鮮唐津に見られる釉薬と同系統になります。
馬の目皿(うまのめざら)
渦巻き状の馬の目の文様が描かれた大皿や大鉢。瀬戸で江戸後期18世紀中頃から明治時代初期までつくられた庶民の日用雑器。
渦巻状の文様のある大皿で創始は明らかでない。
瀬戸地方で日用品として盛んに焼かれたが、明治のはしめにほとんど絶えましたが、大正以来、民芸愛好家の目にとまり広く紹介されました。
嬉野焼(うれしのやき)
佐賀県嬉野町の陶器。
朝鮮より帰化した陶工中相原・金原らが内野山に開窯。
褐色の粘土に黒釉のもの、また、白はけ目の上に褐・緑彩の絵皿、嬉野徳利などが有名です。
上絵付け(うわえつけ)
本焼き後、釉薬(ゆうやく)の上から模様を描くこと。下絵付けでは色彩が限定されるのに対し、多彩な色彩の表現が可能。
上絵具(うわえのぐ)
陶磁器の上絵(うわえ)を描くための絵の具で、低火度(ていかど)で焼成。
上絵の絵付けを施すために用いる鉱物の絵具。
釉薬(うわぐすり)
陶磁器の表面に施したガラス質の被膜。吸水性をなくし、それ自体が装飾ともなる。「ゆうやく」とも呼ぶ。
土石類・植物の灰類・酸化金属・天然または自然の鉱物を細かく粉砕し、水と合わせた物で、高温になるとガラス化し光沢が出ます。
陶磁器の表面に融着した、薄いガラス状の皮膜のこと。もしくは、上釉とも書いて、一度施釉したのちに、さらに変化をつけるために重ねて掛けるものをいいます。