古唐津及び唐津焼並びに陶芸に関する用語集

古唐津及び唐津焼並びに陶芸に関する用語集 「ひ」

緋色(ひいろ)

器胎(きたい)・素地(きじ)中に含まれる鉄分が発色し、釉(うわぐすり)のかかってない部分が赤や茶色となって器面に現れたもの。

火裏(ひうら)

窯中に置かれた器物に、炎が直面していない部分。

火表(ひおもて)

焼成の際、器物が炎に直面する側。焼締陶などの場合、火表には灰が降り掛かり自然釉(しぜんゆう)が厚い。

檜垣(ひがき)

唐津焼の絵唐津や志野茶碗などに見られる装飾文様の一種。
檜の網代組みにした垣根に由来し、 檜垣とは檜や竹などの木を薄くそいで板にし、網代のように斜めに編んだ垣根のことをいい線が斜めに交差し×印が連続するような文様になる。

引き出し黒(ひきだしぐろ)

鉄分の多い釉で焼いた時、窯中で冷まさずに鉤(かぎ)や鋏(はさみ)を使って外に引き出し、急冷し黒く発色させる方法。

毘沙門亀甲文(びしゃもんきっこうもん)

六角形(亀甲文)を下に二つ上に一つ、つなぎ合わせた文様をひとつの単位とした連続文様。

肥前(ひぜん)

現在の佐賀県と長崎県にあたる旧国名。唐津・有田・伊万里・武雄・平戸・波佐見など焼き物の産地。

備前(びぜん)古備前(こびぜん)

岡山県備前市で12世紀より焼かれている無釉の焼締陶。鉄分の多い土を使った、濃褐色の肌が特徴。
備前焼もしくは備前の窯場。

岡山県備前市を中心に焼かれる陶磁器をいいます。
平安時代末の12世紀頃から須恵器の流れを汲んだ壷・甕・すり鉢を中心につくり、中世の備前窯を形成しました。

室町時代後期より優れた茶陶で、その名を高め、南・西・北の三ヶ所の大窯に集約され、また金重・木村など窯元六姓を確立しました。
江戸時代初期には薄手の伊部手が主流となり、中期には白備前が焼かれた。
無釉の焼締であることは、今日まで一貫した特色です。

緋襷き(火襷き)(ひだすき)

備前焼など焼締陶の表面に現れる、襷状の赤褐色の筋紋。
焼成時に藁をのせ、無釉の陶器の表面に現れた褐色のたすき状の筋。
もともとは重ね焼きをする際に、熔着を防ぐために藁を間に挟んだのが始まり。

一重口(ひとえぐち)

器物の口造りの形状の一種。
切り立てのままの口造りをいいます。
主に茶道具の水指に見られます。

火計り(ひばかり)

文禄・慶長の役後来日した朝鮮陶工が、朝鮮の陶土と釉薬を用いて焼いた陶器をいいます。
火ばかり、すなわち燃料だけが日本のものという意です。
薩摩古帖佐の火計り茶碗が有名です。

火間(ひま)

釉の掛け残しや切れによって、その部分の素地が見えること。

紐づくり(ひもづくり)

紐状の粘土を底部の上に巻き上げた後、紐をつぶしながら形を整え、成形する方法。
古くは縄文土器から備前・唐津の叩きに残っています。

百間窯(ひゃっけんかま)

佐賀県杵島郡山内町宮野板ノ川内にある江戸時代前期の連房式登窯の窯跡。
初期伊万里として最も古い窯の中に位置し、青磁染付の皿や鉢が多く焼かれたが、陶器も焼かれています。

氷裂文(ひょうれつもん)

氷が破れた時に生じる不規則な亀裂をあらわした文様。

平戸焼(ひらどやき)

長崎県佐世保市三川内町産の磁器で、平戸藩主松浦家の御用窯(ごようがま)。
染付(そめつけ)・錦手(にしきで)・型物など美しい焼物が有名です。

ビロード釉(びろーどゆう)

緑色のガラス質の自然釉のこと。
伊賀焼(いがやき)や信楽焼(しがらきやき)に多くみられます。
窯焚きの際、薪が燃焼し灰となって器胎に被り、その灰が、熔け流れることによって釉となります。
先端は、玉状の溜まりができます。

枇杷釉(びわゆう)

井戸茶碗(いどぢゃわん)にかけられた、枇杷色の長石釉(ちょうせきゆう)をいいます。
透明釉を酸化焼成したもので、素地の土色が淡く発色した色になります。