古唐津及び唐津焼並びに陶芸に関する用語集

古唐津・唐津焼・陶芸に関する用語集 「ゆ」

釉下彩(ゆうかさい)

低下度釉である、透明釉(とうめいゆう)の下に赤・緑・黄・紺青・紫・白などの顔料で絵付けしたもの。

釉薬(ゆうやく)

陶磁器の表面に施したガラス質の被膜。吸水性をなくし、表面を保護し、装飾性を与え、それ自体が装飾ともなる。「うわぐすり」とも呼ぶ。

唐津焼における釉薬

使用原料としての「主材」としては長石質で釉石、や耐火性が低い軟質の石類や陶土類および藁灰類で「溶剤」として土灰、松灰、樫灰、石灰石や貝灰などがあり「骨材」としては粘土類や共土などが主流で、「顔料」としては産地近郊の含鉄鉱物である黒錆、鬼板、黄土や赤土です。

一部特殊な例として後期においては磁器用の呉須や胆磐、緑青の酸化銅系があります。

これらの原料で得られた釉薬の種類として

「灰釉」「土灰軸」「透明釉」「長石釉」「斑釉」「藁灰釉」「飴釉」「黄釉」「黒飴釉」「天日釉」「鉄砂」「伊羅保」
その他に、二種の重ね掛け、または掛け分けなどの技法による「朝鮮唐津」などがあります。

いずれも身近にある入手しやすい原材料を用いて調整した2~3成分系が主流であり、原料の選択として「主材」「骨材」と更に「顔料」まで兼ねた材料に「溶剤」の添加で各種の独特な組み合わせで釉薬調整がなされたと考えられます。

「主材」に対して「溶剤」の添加量次第で釉性状は連続的に変化し長石質主材の透明系では、白濁質の「長石釉」から透明性の「土灰釉」高光沢の「灰釉」へと順次移行していきます。
これらの釉調をみても唐津焼は民陶として雑器を作っていたのが伺い知れますね。

釉下彩(ゆうかさい)

釉の下に、絵付けを行うことで、鉄絵、染付、釉裏紅がこれに当たります。

釉裏紅(ゆうりこう)

鮮紅釉ともいい、釉下の紅色の文様のある磁器。
酸化銅によって還元炎焼成し、釉薬の下に紅色の発色を施す技法

中国・元時代に始まった、銅釉を還元焼成により鮮紅色に発色させるやきもので、日本では「辰砂」と呼ばれています。

釉裏紅も釉下彩の一種で、青花よりも焼成温度の管理が難しい高度な技法として知られ呈色剤の銅が、火度が低すぎると黒みを帯び、高すぎると揮発して文様が飛散してしまう性質があります。

16世紀前期、西有田の広瀬窯で多く造られています。

釉裏青(ゆうりせい)

中国での染付(そめつけ)の呼称。呉須(ごす)で模様を下絵付けして、その上に透明釉(とうめいゆう)を掛け焼いたもの。

油滴(ゆてき)

黒釉の表面に、銀色の斑文が現れた窯変(ようへん)の一種。水面に油の滴をたらしたような様が、名前の由来。